140字じゃ語りきれない

140字じゃ語りきれないのでブログやりま〜す

好きな女がいたんだよって話

10年も前の初恋なんて忘れてしまえよ

こんばんは無糖です。

突然ですが私の初恋は同性…女性でした。

一言で言えばボーイッシュ(見た目の話です) ショートヘアで黒髪、ラフな格好にジーパンスタイルの、160前半ぐらいの方でした。

なんで急に初恋の話なんか始めたかというと、さっき自宅に愛のある荷物が届いたからです。

私を想って、送ってくれた荷物。

私のために、送ってくれた荷物です。

ありがとう。

 

愛のある荷物を受け取るたび、送ってくれた方の顔と一緒に、私はどうしてもこの初恋の人を思い出してしまう。

なぜか。

前置きだけど、初恋の人は、とても美しい方でした。

この美しい人を、なんだか人に教えたくなってしまった。

そんな気持ちを140字で語るのは無理!ってことで、今ブログを書いています。

 

出会いから気持ちがバレるまでは今回の話では関係のないことなので割愛しますが、

端的に言うと、10年前のクリスマスの日、連絡先を交換したばかりのその方から

 

「ねえ、無糖ちゃんって私のこと好きなの?」

 

と電話が入ります。

分かり易すぎるのも問題だと思います。

そのあと、彼女からメールが入りました。

 

「私も女の子が好きで、あなたと同じ病気を持っていて、そして吃音持ちなんだよ」

 

正直、

運命かと思いました。

 

吃音って、男性の方が多い障害と聞きます。

また、当時私が患っていた摂食障害は、女性の方が多い病気です。

かつ、同性が好き。

これを、私の乙女チック脳みそが運命と名付けずになんと言おうかって感じじゃないですか。

 

そのあとしばらく経ち、たまたま縁があって帰り道を共にした私と彼女。

電車に乗るために別れを告げる私に、彼女はこう言ったのです。

 

「今、ひとりで独りの家に帰るの、さみしいなあ」

 

って。

 

よし!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

ごめんなさい。正直心の中でガッツポーズしてました。

それって一緒に家まで帰って、もしくはお家にお呼ばれするパターンなのでは?

と。

期待に胸がハトよりも膨らんで、終電なんてあっさり捨てましたとも。

 

彼女は私を自宅に呼んでくれました。

包み隠さず言いますけど、結構な散らかり様でした。暴れた?みたいな。

でも私は彼女が寂しがりやなのを知っていたので、それすらも寂しさの裏返しに見え愛しいとすら思いました。

彼女は、和の装いに着替えました。部屋着で和服をセレクトする人はあまりいないので、私は彼女の美的センスにただただ惹かれました。

お酒の弱い彼女と甘露酒を飲みながら、のんびりいろんなことを話しました。

話の内容は覚えていません。話をした、あの空間がなによりとびきり愛しかった。

 

彼女が眠くなって自分の布団に潜り込みます。

私はこたつの中に入らせてもらっていたので、私も寝るか、と思い横になった、その瞬間、

 

「ねえ、一緒に入る?」

 

私はそのお誘いについ、乗ってしまいます。

甘い夜でした。もう今後、きっと誰を愛してもこの夜を超えることは不可能なくらいに。

特別なことはしていません。ただ、私が愛される怖さにべそべそ泣いて、彼女がずっと抱きしめてくれていた、それだけです。それだけの夜でした。

それでも、人に愛されることに慣れていなかった私にとっては、初めて人から許されたような気持ちになりました。

本当に好きになった人に許されることが、幸福だと知りました。

ちょうど冬だったので、窓際に配置されたベッドは隙間風で若干冷えていたけど、

彼女が隣にいたので寒くありませんでした。

人の体温の暖かさを知りました。

 

本筋の話はここからで、

その日の朝、私たちはそのまま学校を(学生だったので)休みます。

なんとなく、二人で過ごす空間が心地よかったからです。

そのままグダグダ過ごして、夜。

彼女の元に贈り物が届くのです。

 

「○○ちゃん、体調悪いの? 連絡しても気づかないみたいだったから、お見舞い持ってきた!」

 

彼女の友人からでした。

メッセージは数分前のメールで、荷物は玄関の前に置いてありました。

彼女は急いで玄関の扉を開けて、コンビニ袋に入った食べ物が置いてあるのを見て、

泣き出しました。

 

「ありがとうありがとう、気づけなくてごめんなさい。ありがとう、心配させてごめんなさい」

 

私は、なんて悪いことをしたんだろう、と思いました。

目の前でうずくまって泣いている、この世でとびきり好きな人が、友人を欺いてしまったこと、そしてメールにすぐ気づいてあげられなかったことに申し訳なさを感じて泣いている。

そんな彼女の背中をさする資格は、私にはなかった。

私が我欲で私の好きな人と一緒にいたせいで、好きな人が傷ついてしまった。

好きな人と、好きな人の友人に迷惑をかけてしまった。

そして何よりも、友人のために涙を流せる彼女が、あまりにも魅力的に映ってしまった自分を呪った。

そんな感情に浸っている場合ではないのに。

いますぐ彼女に何か。何かをしなければ。

何を…??

 

……。

 

愛ある荷物を受け取るたびに、私は彼女のこんな姿を思い出すのでした。

私はあのとき、何を、どうすれば、正解だったのか。

わからないです。

私が彼女を求めすぎてしまったことが、ダメだったのかな。

だけど、あのときはさ。ずっと一緒にいたかったんだもん。

……。

 

 

愛のある贈り物を受け取るたびに、私はありがとうありがとうと泣きます。

愛されることは、当たり前なんかじゃない。

こんな醜い私のために、何かをしてくれる友人たち。

ありがとう。

そして彼女のことを思い出す。

ありがとう、ありがとうと思える気持ちを教えてくれて、人の暖かさを教えてくれて、ありがとうって。

今も、どこかで元気にしてるといいなあ。

 

おわり。